年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
「あっれー?もしかして優菜?」
その集団の中から私に話しかけてきた人。
「豪くん?」
声を掛けてきたのは、さっきまで試合に出場していた豪くんで。
豪くんはチームメイトの集団の中から一人外れて、私の隣の席に座った。
「優菜、久しぶりだな。元気だった?」
「うん。豪くんも元気そうだね」
「もしかして、さっきの試合観てた?負けちゃったよ」
「うん。残念だったね。最後しか観れなかったけど、豪くんのプレーは観たよ。前よりパワーがあって、凄かった!」
「そりゃそうだよ。前は中坊だったんだから。あの時から成長してないなんて、ありえねーだろ!」
「あはっ、そうだよね。ごめんごめん、上から目線だったね」
「で、今日はどうした?一人なの?」
「うん。次の試合、ウチの学校でさ。応援に来たの」
「へぇー、一人で来るってことは、バレー部に彼氏がいるのか」
豪くん、鋭い!豪くんは同級生なのに大人っぽくて、とても優しい人だった。そして、周りのことを良く見てる。
「うん、でも今日は出場できないかもって言ってたんだよね」
「そっか。優菜の学校も結構強いからな。いいメンバーが揃ってんだろ。レギュラー取るのは難しいんだろうからな」
豪くんは、見たこともない啓太のことを気遣って、そう言ってくれた。
「豪くんは優しいね。彼のことをそんな風に言ってくれてありがと」