年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
◎ 啓太の長い片想い
バレーの試合は啓太の出場する機会はなく、啓太の成長を見ることができなかった。
そしてうちの学校のチームも敗退した。
試合が終わり、豪くんは席から立ち上がりながら、
「俺たちは帰る時間だから、もう行くわ。優菜と会えて良かったよ。携帯、変わってないのか?」
「うん、中学の時と変わってないよ。たまにはメールしてよ」
「そんなことしたら、後ろにいるヤツに怒られそうだからなー」
「えっ?後ろ?」
振り向くとそこには啓太が立っていて。
「豪先輩、お久しぶりです!」
って、啓太がまた豪くんに向かって最敬礼。
「高橋、もう学校が違うんだから、そんな敬礼すんなよ」
「いや、先輩は先輩なので。今日はお疲れ様でした!」
「お前、優菜と付き合ってるんだってな。良かったな、長い片想いが実って」
「うわ!豪先輩、それ言わないで下さい。優菜は知らないんですから」
「はいはい、ご馳走様!優菜って呼び捨てにしちゃって。相変わらず可愛いねぇ、高橋は」
「豪くん!変なこと言わないでよ!」
私はたまらず豪くんの言葉を止めた。
「おう!じゃ、またな。高橋、秋の大会で戦うことがあったら、容赦しないからな」
そう言って豪くんとチームメイトは会場を後にした。