年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
◎ 啓太の過去
バレー部の春の大会が終わり、またいつもの日常が戻ってきた。
私と啓太は毎朝20分の登校デート。
「今日さ、部活ないんだよね。一緒に帰ろっか?」
「ほんと?やった。じゃあさ、帰りにどこか寄りたい!」
「了解!帰りに昇降口で待ち合わせな」
「ふふっ。どこに行こうかなっ。楽しみだよ、啓太」
啓太と別れて、クラスに入ると私は彩の所へ急いだ。
「彩!聞いて!!私ね、思い出したの。啓太とどこで出会っていたか」
「ほんと!知りたい!!早く教えて」
「あのね、私と啓太って同中だったの。しかも同じバレー部の先輩後輩だったの!」
「えっ?それ本気で言ってるの、優菜。そんなに近い存在の人を忘れてるって、ある?」
「でもね、中学の頃の啓太って背が低くて、顔も幼かったからさ。今の啓太と合致しなかったんだよねー」
「そんな酷い優菜なのに斉藤くんは告白してきたんだ。もしかして、斉藤くんて、ずっと優菜のこと想ってたってこと?」
「彩って、どうしてそんなに鋭いの?その通りだった。ずっと想ってくれていたんだって。キャー、言っててハズカシイ」
「でもさ、さすがに顔では思い出せなくても、名前で分かるでしょう?」
「うん、それがね、中学の時は斉藤じゃなくて高橋だったんだよね」
「そっか。斉藤くんにも色々あったってことか」
「そうみたいなの。今日ね、そのことを聞いてみようと思ってるんだ」
「ま、無理に聞き出さないようにね。いくら付き合っていたって言いたくないこともあるだろうし」
「うん、そうだよね。繊細な話だから、注意するね。彩、いつもありがとう」