年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
啓太のこと、どう話そう。お母さんはなんて言うかな。
「優菜、ただいまー」
あっ、お母さんが帰ってきた。
「おかえりなさい、お母さん」
「どうしたの?何かあった?優菜が玄関まで来てくれるのなんて、珍しいわね」
「あのね、お母さんに相談があるの。とっても言い難いことなんだけど」
「やだ、優菜。もしかして妊娠したの?」
「ちっ、違うから!そんなんじゃないよ」
そうなの、私のお母さんは少し考えが飛んでいるというか、天然というか。
いまだに高校生の気分が抜けていないんだよね。
だから気が合うんだけど、その分私がしっかりしないとって思うの。
「あのね。お母さんに話していなかったんだけど、私、彼氏ができたの」
「キャー、優菜。あなたやっとなのね。お母さん心配してたのよ。なかなか彼氏作らないから。おめでとう!」
「うん、ありがと。名前は斉藤啓太くん。同じ学校の一つ下の人なの。ここから家も近いらしいんだけどね」
「あら、年下くんなの?優菜にはピッタリね。あなた、面倒見がいいから。その彼も見る目があるのね」
「でね、その彼が両親の離婚とか、お父さんの転勤とかで、今一人暮らししてるの。部活もしててさ。一人で大変なんだよね」
「それは放っておけないわね。優菜がどうにかしてあげなきゃ」
「うん。そのどうにかをどうしたらいいかなって、相談なの」
「とりあえず今度連れてらっしゃい。お母さん、啓太くんに会いたいわ」
「明日の朝、来るよ。本当は毎朝迎えに来てくれているの」
「あら、そんなにラブラブなの?やだ。全然知らなかったわ」
「言うのが遅くなって、ごめんね」
「お母さんも何がベストか考えておくから。優菜は心配しなくて大丈夫よ」
「ありがとう、お母さん」