年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
◎ お母さんからの提案
翌朝、いつものように啓太が門の所で待っていてくれて。
いつもと違うのは、私ではなくお母さんが先に玄関から出て行ったこと。
「啓太くん?おはよう。優菜の母です」
「えっ?あっ、おはようございます。斉藤啓太です。あの、優菜さんとお付き合いさせていただいています」
そう挨拶して啓太は豪先輩にしたように、お母さんにも最敬礼した。
「昨日、優菜から啓太くんのことを聞いてね。会いたいって言ったら毎朝来てくれているって言うじゃない?全然知らなくて、ごめんなさいね」
「いえ。こちらこそ、いつも優菜さんにはお世話になっているのに、ずっとご挨拶ができずにすみませんでした」
「優菜の方がお世話になっているんじゃないの?あの子、啓太くんを困らせたりしていない?」
「そんなことないです。半人前の僕のことをいつも応援してくれて、本当に心強いんです」
「お母さん、たくさん話しすぎ!もう行くね。また夜にね!」
『行ってきます』
私と啓太の声が被った。
それを聞いたお母さんが笑いながら、
「仲良くて、いいわね。行ってらしゃい」