年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
◎ 毎朝20分のデート?
翌朝、同じ時間に家を出る。
「いってきまーす」
今朝はぐっすり眠れたせいか、気分がいい。
「あっ!」
家の門に腕を組み寄りかかっている人影。
「斉藤くん?」
「優菜先輩、おはよ。学校行こ」
「おはよう。って。どうして?本気で毎朝来るつもりなの?」
「俺、言ったでしょ。毎日迎えに来るって。それを実践してるだけ」
「でも・・・。斉藤くんのおうちからここは、学校までの通り道なの?遠回りとかしてない?」
「ここは通り道だよ。俺の家は優菜先輩んちよりもう少し先だけどね。まあまあ近いよ」
「そうなんだ。あ!それで私のこと知ってたの?朝に見かけたことあるとか?」
「ふっ、全然違う。そんな一目惚れじゃないから」
「うーん・・・。私ね、ずっと考えてるんだよ、いつ斉藤くんに会ったのか」
「そうやって頭の中を俺で一杯にして。いつも俺のこと考えててよ」
「うわ、恥ずかしげもなく良く言うよ!」
なんだろう、一つ下の斉藤くんの発する一言一言が胸に刺さるんですけど。
「顔赤いっすよ、優菜せ・ん・ぱ・い」
「う、うるさい!年上をからかいすぎだって」
「年上とか、言わないで。それだけが唯一優菜先輩を超えられない壁なんだから。本当なら先輩って付けて呼ぶのもイヤなのに」
「斉藤くんって、なんでそんなに素直なの?すごくストレートに気持ちを伝えてくるよね」
「だからさ、覚悟しといてって言ったじゃん。優菜先輩が俺を好きになってくれるまで絶対に引かないから」
「なんて返事していいか、困るよ。でも私ね、好きになった人しか付き合うつもりないから。それだけは言っとくね」
「うん。分かった。俺のことを好きにさせるから」
それから毎朝斉藤くんは迎えに来てくれた。