年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました

「あの人って、啓太の知り合いなんだ?」

田中マネが聞いてくる。

「中学の先輩だよ。めちゃくちゃ厳しいの」

「でもさ、かっこいい人だね。彼女いるのかな?」

「知らね。俺、そこまで仲良くないし。気になるなら自分で聞いてみたら?」

「啓太が聞いてよ。ケチ!」

「そんなこと聞いて、俺が豪先輩狙いだって思われたらどーすんだよ」

「えっ?啓太ってそっち系なの?キャハハハッ」

俺と田中マネがじゃれ合っているところに豪先輩が戻ってきて、北高校のマネージャーを紹介してくれた。

「こっちがマネの吉岡小百合(サユリ)。田中さんと同じ一年だから、遠慮なく使ってね」

「田中美夕です。小百合ちゃん、よろしくね。で、こっちにいるのが同じ一年の斉藤啓太。豪先輩の中学の後輩です」

「なんで、田中マネが俺の紹介してんだよ!おい!」

「えっと、吉岡小百合です。美夕ちゃんと啓太くん、よろしくね」

豪先輩がなんだかニヤニヤして俺たちを見ていた。

「啓太、田中さんと仲良いんだな。ふーん、そっか」

「ちょっと、豪先輩?変なこと考えてないですよね?まさか、メールとかしないっすよね?」

「ん?メールって何のことだ?啓太が女子と仲良くしてるなんて、俺は誰にも言わないよ、多分な」

豪先輩は笑いながらそんなことを言って、ここに吉岡さんを残して去って行った。

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