年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました

「あの、美夕ちゃんと啓太くんって付き合ってるんですか?」

吉岡さんが俺たちに質問してきた。

「付き合ってないよ。マジないから」

俺は即答で吉岡さんの質問に否定を入れた。

「そっか。じゃあ私、啓太くんのこと狙っちゃおうかな?」

はあ?なんだそれ?

「俺、彼女いるから無理だし」

「そうなの?でも気が変わることもあるでしょ?」

俺は田中マネに助けを求めた。けど、

「なんか小百合ちゃんとは気が合いそう。啓太は優しいし、いいと思うよ。あとさ、さっきの豪先輩って彼女いるか知ってる?」

田中マネは俺のことなんか無視して吉岡さんと盛り上がってる。

「豪先輩って北高校でも人気あるんだよ。かっこいいよね。私も美夕ちゃんと仲良くなれそう」

そんな二人からそーーっと離れようとしたら、

田中マネに見つかった。

「啓太!どこ行くの?啓太は調理手伝ってくれるんだよね?逃げるな」

「俺、買い出し班が帰ってくるまで、あっちにいるわ」

「いや、啓太は豪先輩の情報提供をよろしく!」

「だからさ、俺は豪先輩のこと良く知らないって」

すると吉岡さんが豪先輩について気になることを言った。

「豪先輩ね、彼女はいないみたいなんだけどさ。中学の頃から好きな人がいて、今も想い続けているらしいって噂があるの。その相手が誰なのかはみんな知らないんだよね」

「中学の時から?じゃ、啓太知ってるんじゃないの?豪先輩の好きな人」

「知らねーよ。知りたくもねーわ。それこそ田中マネが豪先輩のこと頑張ってみればいいんじゃね?」

願わくば、田中マネが豪先輩を落としてくれたらいいのに、って思う。

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