このヤンデレ医師を何とかしてほしい

私は中島葵（なかじまあおい）。薬剤師を目指して勉強している大学生！今日はせっかくの日曜日だし、ゆっくりと眠ろうーーー。

「葵〜！葵、もう八時半過ぎてる！起きて〜！」

急にペチペチと頬を叩かれ、心地よい夢の世界から一気に現実に連れて来られる。この声、まさか……。

私がそっと目を開けると、目の前には黒髪に眼鏡をかけた世間一般でイケメンと呼ばれる顔をした男性がいた。ちなみに言うと家族ではない。もう一度言おう、家族ではない！

「あっ、やっと起きた！」

そう言って笑うその顔が憎らしく、私は思い切り枕を相手にぶつける。枕って結構ぶつけられると痛いんだよね。男性は「イテテ……」と顔を押さえているけど、私の睡眠を邪魔した罪は重い！

「何であんたが私の部屋に勝手に入ってるわけ！？不法侵入！！ストーカー！！犯罪！！」

私が叫ぶように言うと、「お母様から許可はもらったよ」と言いながら男性は証拠のLINEを見せてくる。そこには、「家に行ってもいいですか？」という文のあとにお母さんが「いいよ」とスタンプを送っていた。