このヤンデレ医師を何とかしてほしい
昴さんは笑いながらようやくスマホを返してくれた。トーク画面を見れば、私が打ったとわかるような文で丁寧に断りのメッセージが送信されていて、ゆりちゃんからは「そっか。まあ、葵ちゃんにはかっこいい彼氏がいるからね」と送られてきている。ああ、男性との出会いの場がこれでまたなくなってしまった……。

「……何で、私のことをここまで束縛するの?付き合っているわけじゃないのに付き合ってるとか周りに言ってさ……」

何度同じことを彼に聞いただろうか。決まって返ってくるのは同じ言葉。

「愛しているから、葵のこと。ずっと昔から愛してた。俺のものにしたいから束縛するの。他の男なんか見てほしくないからね」

昴さんに抱き締められ、一瞬のうちに唇を奪われる。油断すると舌をねじ込まれて、昴さんのペースに流されてしまう。苦しくなって彼の胸板を叩くけど、離してくれない。

本当は、どれだけ抵抗しても無駄だってわかっている。昴さんからは逃げられないってわかっているんだ。
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