My SUMMER
「や〜初日ってやっぱなんか疲れるよね〜」
帰り道、うーんと伸びをしながら話す咲季に相槌を打つ。
「そうだね〜。絵里もトモも新しいクラスどんな感じかね。絵里はB組でトモはDだっけ」
「そうそう、まだどっちもHRやってたね」
2年生では、咲季、絵里、トモ、私の4人グループだった。
2人と別れてしまったのは寂しいけど、私達だけ一緒になれたんだから大分ラッキーだ。
「てか夕、メガネかえたね?」
「あ、わかった?さすが咲季」
「わかるよ〜、似合ってる」
「ありがと」
「でも私は夕はコンタクトにしたらいいと思うんだけどな〜」
「苦手なんだよね」
「そう言ってたよね〜そのメガネもおしゃれでいいけど」
高1でトライしたコンタクトは、どうも目がゴロゴロしてしまって続かなかった。
だからもう中学のときからずっとメガネだ。
春休みに縁がブラウンのものに新調した。
「あ、やば」
「ん?」
学校から駅までの道のりで、立ち止まる。
「携帯机の中に忘れたっぽい…」
「まじで?」
それはまずいね、とつぶやく咲季。
携帯忘れるなんて普段ないけど、今日は新しいクラスでなんだかんだ疲れたから、少しぼーっとしてたみたいだ。
「ごめん咲季、先に帰っておいて〜」
「おっけー、気をつけてね」
もう駅はすぐそこなので、咲季とバイバイして、足早に学校へ戻る。
みんな駅に向かって歩くので、逆行してる私は地味に目立って嫌だ…