My SUMMER
「あった…」
無事に机の中に携帯を発見。
あるとは思ってたけど、ちょっと不安だったから一安心。
教室にはもう誰もいなくて、春真っ盛りの今日は、窓がまだ開けっ放しになっている。
生まれつき色素の薄い髪。
高校に入ってから伸ばしていたから、もう胸あたりまで長くなった。
風が髪を散らすけど、心地よくて気にならない。
窓の向こうの桜に目を奪われて、思わず窓際の席についてぼーっとしてしまう。
「いたっ」
吹いてきた風に舞ってきた埃が目に入り、メガネを外す。
ガタンー…
「あれ…?」
音がした教室のドアの方を振り向けば、サッカーのユニフォーム姿の男子。
目に入った埃で目が霞んで誰かわからない…