愛して欲しいなんて言わない!
「私って信用されてないんですね
なら、明日も西九条先生の筆箱を借ります
今日は買い物をしません」

返した筆箱を再び手に取ると
私は大股で
職員室を出て行った

西九条の筆箱を手に取ったときの
青山の顔は
憎しみで一瞬、歪んでいた

もしかしたら
愛しの西九条の所有物に触れたからか?

青山だって
西九条の触った筆箱を借りたいって
思っているかもしれない

それをまた私が持って行ってしまった

怒りでつり上がる目を見て
私は優越感に浸った

だって
私を馬鹿にしたんだ
許せない

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