愛して欲しいなんて言わない!
「はっきり言っても
わからないヤツだから
俺は困っている」

東山先生が声をたてて
笑い出した

「それだけ大好きなんだろ」

「迷惑なんだよ」

「小西とはどうなんだ?
生徒を家にあげるなんて
普通に考えておかしいだろ」

「そうだな」

私はベッドから降りると
足音をたてないように
部屋のドアに耳をつけた

二人の会話が知りたい

「青山は小西のことを
どこまで話している?
お前に話したってことは
他の奴らにも話している可能性が高いからな」

「おっ?
小西となると真剣な顔になるな!」

「生徒だからな
担任が守らないと」

「それだけか?」

東山先生は鋭い人なのだろうか

「何を知りたい?
俺のことなら何でも話す

小西にはいろいろな問題を抱えて
俺に頼ってきた
だから何も話さない
小西が自分から話せる日が来るまで
俺は知っていても何も言わない」

西九条って
教師にむいている

生徒を守る姿が似合う

…って私が原因だけど
でももとはと言えば
私たちの両親がいけないんだ

勝手に結婚相手を決めるから

相手が西九条で良かったけど…

「ところで小西は?」

「部屋で勉強している」

「え?
もしかして俺らの話を聞かれてる?」

「ああ
聞こえているだろうな」

< 130 / 151 >

この作品をシェア

pagetop