愛して欲しいなんて言わない!
東山先生は一時間ほど
西九条と話をしてから
帰って行った

私は部屋から出ると
ソファに座ってため息をついた

「どうした?」

西九条は優しい声で
聞いてくる

「青山先生以外に
私の物を盗むって
誰かな?って」

「他か…
ま、やりそうなヤツは
一人いるけど…」

え?
私は隣に座ってきた西九条の
顔を見た

「誰?」

「確信があるわけじゃないから
言えない」

「もしかして…
こば…」

「言うな」

そうなんだ
小林の可能性が高いんだ

確かに
私と接点があって…

あれ?
接点がなくても
盗む奴は盗む

でも私の物ばかりとなると
怨恨の可能性が強いわけで…

私は
小林に恨まれてるの?

「ああ、もう
わからない!」

私は立ち上がると
頭を勢いよく振った

「カラオケ行こう!」

「え?」

西九条があからさまに
嫌な顔をした

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