愛して欲しいなんて言わない!
私は落ち着いていた

やっぱり小林だったんだ
…という気持ちが強かった

驚きはなく
理由を知りたいと思った

「妹がいるって嘘をついて
ごめん」

小林が頭を下げた
そして言葉をつづけた

「でも筆箱は下駄箱にあったんだ
嘘はついてない
なぜか僕の下駄箱に入ってた」

顔をあげた小林が困った表情をしていた
嘘をついているようには見えない

私は小林から視線を動かした
何かが動いたように感じた

教室には私と小林しか
いないと思っていたが…

私は教卓をじっと見つめた

そして教室内に足を踏み入れる

私は教卓を前にして立つと
思いきり蹴った

「きゃっ!」

中から悲鳴が聞こえた

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