愛して欲しいなんて言わない!
「聞かせてもらったよ」

教室の中に
かすれた声が聞こえてきた

私は声の主を探すと
教卓側の扉に寄り掛かって
西九条が立っていた

「西九条先生?」

小林が驚いたように声をあげた

青山先生の顔は真っ青になり
冷や汗をかいているようだった

「青山先生、理科室で少し話を
しましょうか?」

腕を組んで立っている西九条の顔は
怖かった
睨んでいるわけではないが
気迫があって圧倒された

青山先生は無言でうなずくと
西九条の後ろをついて
教室を出て行った

< 136 / 151 >

この作品をシェア

pagetop