愛して欲しいなんて言わない!
外が暗くなっても
西九条と私は
理科研究室にいた
深いため息をついた西九条が
私から離れた
私は乱れた制服を直すと
立ちあがった西九条の背中を見つめた
荷物はとうにまとまっている
あとは車に積めばお終い
でも西九条の心が
理科研究室から離れたくないようだった
不安定な西九条をそっと抱きしめたら
そのまま私たちは
抱きあった
「金持ちの男って
自分勝手にどうにかできるから
むかつくよな」
ぼそっと西九条が言葉を吐き出した
「西九条の父親のこと?」
「ああ
学校には俺達が結婚したと
言わない約束だったんだ
今年度一年、俺が教師をしたら
辞職して
経営学を学びに留学する約束だった
それが理菜と結婚するための条件だ
そうでなければ俺は
見ず知らずに外国の女性と
結婚する予定だった
オヤジの大手取引先の娘らしい」
西九条は私を背中から抱きしめた
強く抱きついてきて苦しい
「嫌だったんだ
俺、軽い男に見られがちだけど
結婚するなら好きな女とって決めてた
だからオヤジの勝手な考えには
抵抗した
それで理菜を結婚相手の条件として
あげたんだ
理菜と結婚できるなら
オヤジの会社の後継者になるって
交渉は難しかったけど
俺が勝った…と思ってた」
「違ったの?」
「どうかな?
理菜と結婚できたけど
仕事はめちゃくちゃだ
オヤジが俺らが結婚していると
学校側に伝えた
すぐに理菜を辞めさせろって
だから俺が辞めるって言った」
え?
私のせい?
西九条と私は
理科研究室にいた
深いため息をついた西九条が
私から離れた
私は乱れた制服を直すと
立ちあがった西九条の背中を見つめた
荷物はとうにまとまっている
あとは車に積めばお終い
でも西九条の心が
理科研究室から離れたくないようだった
不安定な西九条をそっと抱きしめたら
そのまま私たちは
抱きあった
「金持ちの男って
自分勝手にどうにかできるから
むかつくよな」
ぼそっと西九条が言葉を吐き出した
「西九条の父親のこと?」
「ああ
学校には俺達が結婚したと
言わない約束だったんだ
今年度一年、俺が教師をしたら
辞職して
経営学を学びに留学する約束だった
それが理菜と結婚するための条件だ
そうでなければ俺は
見ず知らずに外国の女性と
結婚する予定だった
オヤジの大手取引先の娘らしい」
西九条は私を背中から抱きしめた
強く抱きついてきて苦しい
「嫌だったんだ
俺、軽い男に見られがちだけど
結婚するなら好きな女とって決めてた
だからオヤジの勝手な考えには
抵抗した
それで理菜を結婚相手の条件として
あげたんだ
理菜と結婚できるなら
オヤジの会社の後継者になるって
交渉は難しかったけど
俺が勝った…と思ってた」
「違ったの?」
「どうかな?
理菜と結婚できたけど
仕事はめちゃくちゃだ
オヤジが俺らが結婚していると
学校側に伝えた
すぐに理菜を辞めさせろって
だから俺が辞めるって言った」
え?
私のせい?