愛して欲しいなんて言わない!
「高校で友人はできたの?」

「いないよ
そんなの、必要ないし」

「理菜らしい発言だけど
寂しくない?」

「寂しいって何?」

「一匹オオカミは女には
似合わないよ」

一匹オオカミね~

「他人に合わせて生きるなんて
面倒だから」

大男が私にコーヒーを差し出した

豆の良い香りが
鼻こうをくすぐった。

「理菜は強いよね」

「強くない
弱くもないけど」

優衣と仲良くなったきっかけは
クラス内のイジメだった

優衣は自分を押し殺して
他人に従っていた

見ていて苛々した

だから苛めて優越感に浸っている
クラスメートに一括した

口で文句を言ってくるクラスメートに
私は口で対抗して、勝った

口で勝てないとわかると
今度は暴力と変化する

その暴力にも
私は勝った

それがきっかけで
優衣とは会話をするようになったが

心を通わせた友人ではない

「コーヒー、飲んだから
帰るよ」

「タクシー、呼ぶ?」

「お願い」

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