愛して欲しいなんて言わない!
「私の家は今日から
ここになったんだ!」

車の前で
最後の抵抗をしてみる

「馬鹿か?」

西九条は取り合わない

くそ!
このままでは
強制送還されてしまう

なんとしても
抵抗して
この場から逃げないと!

「あの…
理菜の忘れもの…」

逃げようとしている私の後ろから
優衣が学生鞄を持ってきてくれた

「ああ
ありがとう」

無表情だった西九条の顔が
一気に明るくなると

優衣から鞄を受け取った

西九条が車の後部座席に私と鞄を放り投げると
車のドアを閉める

西九条の腕から解放された私は
さっそくドアを開けようとするが

チャイルドロックがかかって
ドアが開かなかった

抜かりのない奴め!
< 27 / 151 >

この作品をシェア

pagetop