愛して欲しいなんて言わない!
西九条は優衣と会話をした後、
すぐに車に乗り込んだ

優衣の頬がほんのり赤くなっている

もしかして
西九条に騙されている?

違うから!
こいつ嫌な奴なんだよ

チャイルドロックまでして
最低なやつだ!

優衣は私に笑顔で手を振った

私は必死に首を振って
助けてほしいと
目で訴えたけれど…

優衣は気づいていないようだった

「あー
無駄な走行距離だ
ガソリン代が勿体ない」

完全な嫌味を
西九条が呟く

「なら来るな」

「そういうわけにはいかない
あんたは未成年だろうが!」

「教師ヅラかよ」

「今日からあんたは
俺の監督下だ
自分勝手な行動は慎め」

「はあ?
意味わかりません

私は自分勝手に生きるんです」

「阿呆と馬鹿は嫌いだ
理解できるように説明する
時間が勿体ねえ」

「なら説明すんな」

私は運転席の椅子を
蹴った

馬鹿にされて
苛々する

…って学校の成績は
悪いけどさ

だからって理解する力くらいあるさ


「お前のオツムじゃあ
きちんと
優しく
丁寧に
一から説明しないと
わからねえだろうが」

どうしてポンポンと
この男の口からは
嫌味が飛び出すのかね?

この嫌味マシーン!
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