愛して欲しいなんて言わない!
「理菜さん」

西九条の父親に名前を
呼ばれて
私は顔をあげた

「すぐに子供をつくりなさい」

は?

何で西九条の父親に
そんなことを言われないと
いけないの?

「オヤジ!」

西九条が父親の腕を掴んだ

「跡取りが必要なんだ
すぐに産んでもらわないといかん

最低男は2人だ
女は多いければ、多いほど良い」

西九条の父親が
私の目を睨むように見た

「今夜からすぐに
子作りをしなさい

高校など辞めてしまってかわまん」

なんで
そこまで
指図されなくちゃいけないわけ?

子作りって
別にいいじゃん

私は西九条とする気はないよ

「それじゃ
約束と違うだろ」

西九条が低い声を出す

「約束と違う?
子供との約束はしておらん」

西九条の父親は
にやりと笑うと
一人でさっさと市役所を出て行って
しまった

「悪いな
親父はいつもああなんだ

俺は一人っ子だから
母親と俺がいつもあいつに恨まれる」

西九条は
私の頭を撫でた

「別に
気にしてないから」

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