愛して欲しいなんて言わない!
『小林の妹が誕生日が近いらしい
プレゼントを選ぶのを付き合うから
帰りが遅くなる』

放課後
私は西九条の携帯にメールをした

すぐに電話が鳴っていたけれど
隣で小林が歩いていたし
私は出なかった

しばらく鳴っていた
でも電話の相手が担任だと知られたら
きっと小林も変だと気づくだろう

だから私は出なかった

出なくても
西九条ならわかると思った

小林がいるから出ない

教師と生徒の間で
携帯の番号を知りあっているなんて
普通に考えておかしいだろう

どうしても伝えたい内容があるなら
メールで送ってきてくれると思った

メールなら
トイレに行ったときや
ちょっとした隙に読めるから

でも西九条から
メールはこなかった

電話も一度きり

私は

夕食の7時前には家に帰れるように
小林と別れた
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