幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「可愛らしい天使……ここは、まさしく天国ですね」
「違うから。リリンダ、リーゼの水筒ちょうだい」
緑色の瞳に見つめられ、なんだかドキドキしてしまったけれどリーゼはぴしゃりと返す。リーゼの水筒を持っていたリリンダが、青年にそれを差し出した。
青年は水筒を一気に空にしてしまう。よほど喉が渇いていたのだろう。
「助けてくださり、ありがとうございました」
リーゼの前で深々と頭を下げた青年の背は高く、サージと同じくらいはありそうだが、ほっそりとしていて体重はサージの半分くらいしかないかもしれない。リーゼの目が、彼の耳に吸い寄せらせる。
「お兄さん、耳が長いね」
「私は、エルフですから」
「エルフ! ふわぁ、本物!」
話には聞いたことはあるが、本物に出会うとは思ってもいなかった。エルフと聞けば、見目麗しい容姿にも、長い耳にも納得がいく。リリンダも隣で目を丸くしていた。
しかし、エルフが森の中で行き倒れになるというのはめったにないことなのではないだろうか。
「お兄さん、どうして森の中にいたの?」
「お恥ずかしい話ですが、置き引きに合いまして。旅費を失ってしまいました。森の中なら食べるものも手に入れられますから、森を通ってデリモに向かう途中だったのですが……」
「違うから。リリンダ、リーゼの水筒ちょうだい」
緑色の瞳に見つめられ、なんだかドキドキしてしまったけれどリーゼはぴしゃりと返す。リーゼの水筒を持っていたリリンダが、青年にそれを差し出した。
青年は水筒を一気に空にしてしまう。よほど喉が渇いていたのだろう。
「助けてくださり、ありがとうございました」
リーゼの前で深々と頭を下げた青年の背は高く、サージと同じくらいはありそうだが、ほっそりとしていて体重はサージの半分くらいしかないかもしれない。リーゼの目が、彼の耳に吸い寄せらせる。
「お兄さん、耳が長いね」
「私は、エルフですから」
「エルフ! ふわぁ、本物!」
話には聞いたことはあるが、本物に出会うとは思ってもいなかった。エルフと聞けば、見目麗しい容姿にも、長い耳にも納得がいく。リリンダも隣で目を丸くしていた。
しかし、エルフが森の中で行き倒れになるというのはめったにないことなのではないだろうか。
「お兄さん、どうして森の中にいたの?」
「お恥ずかしい話ですが、置き引きに合いまして。旅費を失ってしまいました。森の中なら食べるものも手に入れられますから、森を通ってデリモに向かう途中だったのですが……」