幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「いい考えですね、リーゼお嬢様。及ばずながら、このアルダリオンも力添えをさせていただきます」
「悪くはないと思うがなぁ……無理はするなよ」
「護衛は吾輩に任せろ。フェンリル相手に喧嘩を売るような愚か者は、ひと呑みにしてくれる」
歯をむき出しにして、シドが笑う。
「おやおや、あなたはフェンリルだったのですね」
「お前は最初から気づいてただろ、エルフの勘は人の何倍も鋭いからな」
アルダリオンとシドは、顔を見合わせてにっこりとする。とりあえず、自分のなすべきことが見つかって、リーゼは安堵した。
長雨の季節が終わる頃には、周辺の村や町の長達ときちんと話をできるようになっていればいい。
* * *
「かたくなぁれ!」
リーゼの声が、明るい日差しの中響き渡る。
堤防の上は、人が行き来する道になっていた。その道にしゃがみ込み、スキルを発動しているリーゼに、通りがかったデリモの人達が怪訝な目を向ける。
「――なかなか進まないなぁ」
アルダリオンが、リーゼの屋敷に同居するようになって三日目。
屋敷の修繕や食料調達はベイティス傭兵団の人達に任せて、リーゼは、堤防の強化にいそしんでいた。
「悪くはないと思うがなぁ……無理はするなよ」
「護衛は吾輩に任せろ。フェンリル相手に喧嘩を売るような愚か者は、ひと呑みにしてくれる」
歯をむき出しにして、シドが笑う。
「おやおや、あなたはフェンリルだったのですね」
「お前は最初から気づいてただろ、エルフの勘は人の何倍も鋭いからな」
アルダリオンとシドは、顔を見合わせてにっこりとする。とりあえず、自分のなすべきことが見つかって、リーゼは安堵した。
長雨の季節が終わる頃には、周辺の村や町の長達ときちんと話をできるようになっていればいい。
* * *
「かたくなぁれ!」
リーゼの声が、明るい日差しの中響き渡る。
堤防の上は、人が行き来する道になっていた。その道にしゃがみ込み、スキルを発動しているリーゼに、通りがかったデリモの人達が怪訝な目を向ける。
「――なかなか進まないなぁ」
アルダリオンが、リーゼの屋敷に同居するようになって三日目。
屋敷の修繕や食料調達はベイティス傭兵団の人達に任せて、リーゼは、堤防の強化にいそしんでいた。