幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
リリンダは、リーゼのことを嫌っているわけではないけれど、年齢に不釣り合いな言動をするリーゼの扱いに時々困っているらしい。
「リリンダの分もある?」
「もちろん!」
「リリンダ、一緒に果実水飲もうよ」
今日は、朝からずっと土手を固める作業にいそしんでいた。デリモの隣村から初めて、ようやくここまで来ることができたのだ。
数日中には、デリモの脇まで到達することができるだろう。
並んで座り、水筒に入れてきた果実水を呑んでいたら、通りすがりの老人が声をかけてきた。
「あんた達、何してるんだね?」
「堤防を固めているの。大雨が近いうちにくるって言うから。堤防が決壊したら大変でしょう?」
「硬化スキルの持ち主か。多少硬くなったところで、役には立たないだろうよ」
ふん、と鼻をひとつ鳴らし、名前も知らないその人は行ってしまった。
(……そんなことないもん)
リーゼは心の中でつぶやいた。たしかに、すぐには役に立たないかもしれないが、こうやって準備して困ることはない。
「まったく失礼なやつですね……少し、痛い目にあわせておきましょうか」
「帰り道は危険。身をもって知るといい」
「リリンダの分もある?」
「もちろん!」
「リリンダ、一緒に果実水飲もうよ」
今日は、朝からずっと土手を固める作業にいそしんでいた。デリモの隣村から初めて、ようやくここまで来ることができたのだ。
数日中には、デリモの脇まで到達することができるだろう。
並んで座り、水筒に入れてきた果実水を呑んでいたら、通りすがりの老人が声をかけてきた。
「あんた達、何してるんだね?」
「堤防を固めているの。大雨が近いうちにくるって言うから。堤防が決壊したら大変でしょう?」
「硬化スキルの持ち主か。多少硬くなったところで、役には立たないだろうよ」
ふん、と鼻をひとつ鳴らし、名前も知らないその人は行ってしまった。
(……そんなことないもん)
リーゼは心の中でつぶやいた。たしかに、すぐには役に立たないかもしれないが、こうやって準備して困ることはない。
「まったく失礼なやつですね……少し、痛い目にあわせておきましょうか」
「帰り道は危険。身をもって知るといい」