幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
果実水をグラスに注いでいたアルダリオンが、去っていく男の後姿をにらみつける。リリンダの方は、すでに剣の柄に手をかけていた。
「なんていうか、アルダリオンとリリンダがそんなに凶暴だとは思わなかったぞ」
そんな二人を見て、シドが呆れたように鼻を鳴らす。たしかに、この二人、見た目の割にとても凶暴だ。
「いいって。そんなことよりどんどん進めようよ」
「そうですねぇ……数日中には雨が降り始める気がするんですよ。弱そうなところは、先に硬化をしておいた方がいいかもしれません」
アルダリオンは、懐から折りたたんだ紙を取り出した。
「それ、なあに?」
「堤防の弱いところについて、旅の間に聞いた話をまとめたものですよ。さあ、リーゼお嬢様、どこから行きますか?」
「……そうねぇ。一番緊急度が高そうなのは、どこ?」
まずは、領地に暮らしている人々の身の安全を図るのが大事だ。アルダリオンに手を貸してもらえば、きっとうまくいく。
アルダリオンの予想通り、それから二日後には雨が降り始めた。
外に出ることのできないリーゼは、窓から空を眺めている。朝からずっと激しい雨が叩きつけていて、庭は沼のようになっていた。
「なんだか、嫌な予感がする」
「なんていうか、アルダリオンとリリンダがそんなに凶暴だとは思わなかったぞ」
そんな二人を見て、シドが呆れたように鼻を鳴らす。たしかに、この二人、見た目の割にとても凶暴だ。
「いいって。そんなことよりどんどん進めようよ」
「そうですねぇ……数日中には雨が降り始める気がするんですよ。弱そうなところは、先に硬化をしておいた方がいいかもしれません」
アルダリオンは、懐から折りたたんだ紙を取り出した。
「それ、なあに?」
「堤防の弱いところについて、旅の間に聞いた話をまとめたものですよ。さあ、リーゼお嬢様、どこから行きますか?」
「……そうねぇ。一番緊急度が高そうなのは、どこ?」
まずは、領地に暮らしている人々の身の安全を図るのが大事だ。アルダリオンに手を貸してもらえば、きっとうまくいく。
アルダリオンの予想通り、それから二日後には雨が降り始めた。
外に出ることのできないリーゼは、窓から空を眺めている。朝からずっと激しい雨が叩きつけていて、庭は沼のようになっていた。
「なんだか、嫌な予感がする」