幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
サージはアルダリオンにも食ってかかったけれど、アルダリオンは首を横に振る。
リーゼが望むのならば、アルダリオンは、どこまででもリーゼに付き従うつもりだ。だって、リーゼはただの子供ではないから。
「かたくなぁれ!」
「サージ、あなたは屋敷に戻ったらどうですか? リーゼお嬢様の護衛は、私とシドがいれば間に合いますし」
「かたくなぁれ!」
「帰れるかよ!」
二人の会話には入ってくることなく、リーゼは堤防の強化を続けていた。
この小さな体のどこに、これほどの情熱が潜んでいるのだろう。アルダリオンには、それがわからない。
帰れるかよ――との言葉通り、サージもリーゼの様子が気になるようで、ここにとどまると決めたらしい。
雨の中、コートのフードをかぶっただけで、リーゼの様子を見つめている。
「かたくなぁれ!」
「主、身体が冷えるぞ、無理はするな」
風上に立ち、リーゼを風から守っているのはシドだ。彼の見事な毛並みも、雨に濡れ、水がしたたり落ちていた。
「わかってる――でも、ここだけはしっかり固めておきたいの。かたくなぁれ!」
立ち上がったリーゼは、よいしょとシドの身体によじ登る。長い間雨に濡れて冷えたのか、シドの身体に乗った途端ぐらりと揺れた。
リーゼが望むのならば、アルダリオンは、どこまででもリーゼに付き従うつもりだ。だって、リーゼはただの子供ではないから。
「かたくなぁれ!」
「サージ、あなたは屋敷に戻ったらどうですか? リーゼお嬢様の護衛は、私とシドがいれば間に合いますし」
「かたくなぁれ!」
「帰れるかよ!」
二人の会話には入ってくることなく、リーゼは堤防の強化を続けていた。
この小さな体のどこに、これほどの情熱が潜んでいるのだろう。アルダリオンには、それがわからない。
帰れるかよ――との言葉通り、サージもリーゼの様子が気になるようで、ここにとどまると決めたらしい。
雨の中、コートのフードをかぶっただけで、リーゼの様子を見つめている。
「かたくなぁれ!」
「主、身体が冷えるぞ、無理はするな」
風上に立ち、リーゼを風から守っているのはシドだ。彼の見事な毛並みも、雨に濡れ、水がしたたり落ちていた。
「わかってる――でも、ここだけはしっかり固めておきたいの。かたくなぁれ!」
立ち上がったリーゼは、よいしょとシドの身体によじ登る。長い間雨に濡れて冷えたのか、シドの身体に乗った途端ぐらりと揺れた。