幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
アルダリオンがエルフとはいえ、雨の中森に入って薬草を採ってくるのは大変だったはずだ。彼の好意を無駄にはできない。
(まずそう、ものすごくまずそう……だけど)
目をつぶり、ぐぃっと一息に飲み干した。こういうものは、一気に片付けた方がいいのだ。
「うえぇ、マズイ! ものすごくマズイ!」
口の中に広がるのはなんともいえないえぐみだ。飲み干したのはいいけれど、涙目になってしまった。
「口開けて」
そんなリーゼの前に、すかさず差し出されたのは、ハチミツのスプーンだ。迷うことなくぱくっと口に入れる。優しい甘さに、えぐみが緩和されていく。
「……ありがと、リリンダ」
「どういたしまして」
ベッドの上に座ったリーゼは、窓の外に目を向けた。空は青く、雨は完全にやんだようだ。
「皆、無事?」
魔力が空っぽになるまで、雨の中ひたすら堤防を固め続けたのがリーゼの覚えている最後の記憶。間に合わなくて、堤防が破れていたらどうしよう。
「大丈夫、こっちは無事」
「こっちは、って?」
「リーゼの領地じゃないところは、堤防が破れた」
それは、リーゼにはどうにもできない。
(まずそう、ものすごくまずそう……だけど)
目をつぶり、ぐぃっと一息に飲み干した。こういうものは、一気に片付けた方がいいのだ。
「うえぇ、マズイ! ものすごくマズイ!」
口の中に広がるのはなんともいえないえぐみだ。飲み干したのはいいけれど、涙目になってしまった。
「口開けて」
そんなリーゼの前に、すかさず差し出されたのは、ハチミツのスプーンだ。迷うことなくぱくっと口に入れる。優しい甘さに、えぐみが緩和されていく。
「……ありがと、リリンダ」
「どういたしまして」
ベッドの上に座ったリーゼは、窓の外に目を向けた。空は青く、雨は完全にやんだようだ。
「皆、無事?」
魔力が空っぽになるまで、雨の中ひたすら堤防を固め続けたのがリーゼの覚えている最後の記憶。間に合わなくて、堤防が破れていたらどうしよう。
「大丈夫、こっちは無事」
「こっちは、って?」
「リーゼの領地じゃないところは、堤防が破れた」
それは、リーゼにはどうにもできない。