幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
 リーゼは、ゆっくりと横になる。アルダリオンに会ったら、お礼を言おう。
 リリンダがアルダリオンを連れてくるのを待っていたのに、薬には眠気を誘うような効果も入っていたようだ。
 次に目を開いた時には、あたりは暗くなっていた。枕元に、小さな明かりが一つ。

「リリンダ?」
「彼女は、食事に行きました。リーゼお嬢様、食欲はありますか?」
「アルダリオン! 薬草を採ってきてくれたんだって? ありがとう!」

 リリンダがいないと思ったら、リーゼに付き添っていたのはアルダリオンだった。先ほどお礼を言えなかったから、慌ててお礼の言葉を口にする。

「い、いえ……とんでもありません。リーゼお嬢様のお役に立てたのなら、よかったです」

 アルダリオンの顔がちょっぴり赤くなっているのが、小さな明かりでもよくわかる。

「アルダリオン、カッコいいね! その服はどうしたの?」

 リーゼが寝ている間に、アルダリオンは衣服を改めていたようだ。
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