幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「リリンダ、楽しい?」
「とても」
サージと二人でいるリリンダが嬉しいのなら、リーゼとしては文句を言うべきところではない。
(私にできるおせっかいって、このくらいだもんね)
リーゼが本当に子供だったら、「なんでリリンダのこと好きにならないの?」とサージのことを問い詰めていたかもしれない。
だが、残念ながら前世である程度酸いも甘いもかみ分けてしまった。リリンダの気持ちもわかる。サージの気持ちも。
だから、リーゼにできるのは、ここまで。これ以上のおせっかいは、どちらのためにもならない。
「リリンダが楽しいなら、リーゼも楽しい」
手を伸ばし、リリンダの手をきゅっと握る。たいてい無表情なリリンダが、最近リーゼには満面の笑みを見せてくれるようになった。
小さな変化かもしれないけれど、その変化も幸せ――いつまでも、こんな時間が続けばいいのに。
「主、主! 始まるぞ!」
足元から聞こえるシドの声に視線を巡らせれば、ちょうどアルダリオンとムラトが向かい合っているところだった。
袖を捲り上げたアルダリオンは、ムラトに向かってにっと微笑む。
「とても」
サージと二人でいるリリンダが嬉しいのなら、リーゼとしては文句を言うべきところではない。
(私にできるおせっかいって、このくらいだもんね)
リーゼが本当に子供だったら、「なんでリリンダのこと好きにならないの?」とサージのことを問い詰めていたかもしれない。
だが、残念ながら前世である程度酸いも甘いもかみ分けてしまった。リリンダの気持ちもわかる。サージの気持ちも。
だから、リーゼにできるのは、ここまで。これ以上のおせっかいは、どちらのためにもならない。
「リリンダが楽しいなら、リーゼも楽しい」
手を伸ばし、リリンダの手をきゅっと握る。たいてい無表情なリリンダが、最近リーゼには満面の笑みを見せてくれるようになった。
小さな変化かもしれないけれど、その変化も幸せ――いつまでも、こんな時間が続けばいいのに。
「主、主! 始まるぞ!」
足元から聞こえるシドの声に視線を巡らせれば、ちょうどアルダリオンとムラトが向かい合っているところだった。
袖を捲り上げたアルダリオンは、ムラトに向かってにっと微笑む。