幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
アルダリオンを拾った時、実際に食事を与えたり、飲み物を運んだりしたのは周囲にいた人達だった。
ムラトを屋敷に招いた時だってそうだ。オルシウスに至っては、リーゼはリリンダに抱えられて逃げていただけ。
「リーゼお嬢様の手は、まだこんなに小さいではありませんか。お嬢様の手が届かないところは、皆の力を借りればいいのですよ」
「……そう?」
「ええ、それに今はリーゼお嬢様にしかできないことをしているでしょう? 泥団子を投石機の弾にするなんて、リーゼお嬢様にしかできないことですよ」
「……そっか」
彼にそう言われると、それでいいように思えてくるから困ったものだ。
* * *
向こう側に、ヴハ王国の軍がずらりと並んでいるのが見える。デリモの防壁の上に立ったリーゼは、目を細めてそちらを見つめた。
いつものように、リーゼの腕には二体の兎。
(……大丈夫かな、本当に)
この数日は、本当に忙しかった。側に立っているリリンダの手を掴む。
「ねえ、リリンダ。大丈夫だよね?」
「大丈夫。私達は、絶対に、負けない」
ムラトを屋敷に招いた時だってそうだ。オルシウスに至っては、リーゼはリリンダに抱えられて逃げていただけ。
「リーゼお嬢様の手は、まだこんなに小さいではありませんか。お嬢様の手が届かないところは、皆の力を借りればいいのですよ」
「……そう?」
「ええ、それに今はリーゼお嬢様にしかできないことをしているでしょう? 泥団子を投石機の弾にするなんて、リーゼお嬢様にしかできないことですよ」
「……そっか」
彼にそう言われると、それでいいように思えてくるから困ったものだ。
* * *
向こう側に、ヴハ王国の軍がずらりと並んでいるのが見える。デリモの防壁の上に立ったリーゼは、目を細めてそちらを見つめた。
いつものように、リーゼの腕には二体の兎。
(……大丈夫かな、本当に)
この数日は、本当に忙しかった。側に立っているリリンダの手を掴む。
「ねえ、リリンダ。大丈夫だよね?」
「大丈夫。私達は、絶対に、負けない」