幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「わ、私は! 家を守るために」
「知ってる。でも、それが間違いだって言ってるの――女神のスキルは、その人の願いに応じて授かるんだよ。私は、皆を守りたかった。きっと、他に”硬化”のスキルを授かった人もそう――外れスキルなんて、存在しない」
リーゼは、それきり公爵に背を向けた。これ以上、何を言っても無駄だろう。
「リーゼロッテ・クラウスナー」
「……はい」
国王が、リーゼを新しい名前で呼ぶ。リーゼは、深々と頭を下げた。
「我々を守ってくれたことに感謝する――また、王宮に来てもらいたいものだ」
「王様が、リーゼを必要とすることがあればね」
“私”から”リーゼ”へと戻る。リーゼが拒みたかったのは、公爵だけだからだ。
「主、デリモに帰ろう」
近づいて来たシドが、リーゼの頬を舐める。濡れた感触に、ざわざわしていたリーゼの心がほっとした。
「うん、帰ろう――いいよね、皆」
仲間達が、一斉にリーゼを取り囲む。公爵が何か言っていたけれど、リーゼの耳には届かなかった。
「知ってる。でも、それが間違いだって言ってるの――女神のスキルは、その人の願いに応じて授かるんだよ。私は、皆を守りたかった。きっと、他に”硬化”のスキルを授かった人もそう――外れスキルなんて、存在しない」
リーゼは、それきり公爵に背を向けた。これ以上、何を言っても無駄だろう。
「リーゼロッテ・クラウスナー」
「……はい」
国王が、リーゼを新しい名前で呼ぶ。リーゼは、深々と頭を下げた。
「我々を守ってくれたことに感謝する――また、王宮に来てもらいたいものだ」
「王様が、リーゼを必要とすることがあればね」
“私”から”リーゼ”へと戻る。リーゼが拒みたかったのは、公爵だけだからだ。
「主、デリモに帰ろう」
近づいて来たシドが、リーゼの頬を舐める。濡れた感触に、ざわざわしていたリーゼの心がほっとした。
「うん、帰ろう――いいよね、皆」
仲間達が、一斉にリーゼを取り囲む。公爵が何か言っていたけれど、リーゼの耳には届かなかった。