幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「フランチェスカ、こちらにおいで」
いつも、リーゼロッテを先に呼ぶ父が、初めてフランチェスカの名を先に呼んでくれた。
ようやく、父に見てもらえたような気がした。それだけで、フランチェスカの胸がぽかぽかとし始める。
今まで、何をしてもリーゼロッテにはかなわなかった。
それは、フランチェスカの胸の奥、本当に本当に少しずつ育ち始めていた思い。自分でも気づかない間に、大きく膨れ上がっていた。
初めてリーゼロッテより優位に立てたような気がして嬉しい。初めて父を独り占めできたのが嬉しい。父がリーゼロッテに言われるまでもなく、屋敷の中までフランチェスカを抱っこして連れて行ってくれたのも嬉しかった。
けれど、屋敷に戻ってきたらいつもと様子が大きく変化した。
(……変なの)
まず、夕食の席。リーゼロッテの席がない。
まるで最初からそこには誰もいなかったかのように、今までリーゼロッテが座っていた椅子が撤去されていた。テーブルに配膳されたのは三人分の料理。
「お父様、リーゼは?」
不思議に思ってたずねたら、父はバン! とテーブルに手を叩きつけた。
いつも、リーゼロッテを先に呼ぶ父が、初めてフランチェスカの名を先に呼んでくれた。
ようやく、父に見てもらえたような気がした。それだけで、フランチェスカの胸がぽかぽかとし始める。
今まで、何をしてもリーゼロッテにはかなわなかった。
それは、フランチェスカの胸の奥、本当に本当に少しずつ育ち始めていた思い。自分でも気づかない間に、大きく膨れ上がっていた。
初めてリーゼロッテより優位に立てたような気がして嬉しい。初めて父を独り占めできたのが嬉しい。父がリーゼロッテに言われるまでもなく、屋敷の中までフランチェスカを抱っこして連れて行ってくれたのも嬉しかった。
けれど、屋敷に戻ってきたらいつもと様子が大きく変化した。
(……変なの)
まず、夕食の席。リーゼロッテの席がない。
まるで最初からそこには誰もいなかったかのように、今までリーゼロッテが座っていた椅子が撤去されていた。テーブルに配膳されたのは三人分の料理。
「お父様、リーゼは?」
不思議に思ってたずねたら、父はバン! とテーブルに手を叩きつけた。