幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
脇腹に熱が走ったかと思ったら、次の瞬間、地面にたたきつけられていた。自分の名を呼ぶリリンダの声が、ものすごく遠くから聞こえてくるような気がする。
血が流れていくのと一緒に、身体からどんどん力が抜けていくのを実感した。
(すまん、コルネリア様。俺は、約束を果たせそうに、ない……)
脳裏に浮かぶかつての憧れが、寂しそうに微笑むのが見えたような気がした。
サージを信じて、大切なものを託してくれたのに。あと、もう少しというところで、約束を果たすことができなかった。
けれど、サージをこの世に引き留めたのは。
「かたくなぁれ!」
もう耳になじんだ幼女の声。
体内から血液と共に流れ出ていた生命力が、とどめられ、そして少しずつ戻ってくるのがわかる。
目を開いた時には、戦いは終わっていた。
――そして。
心配そうな目をしてこちらを見つめるリーゼの横には、美しい毛並みの銀の狼が座っている。
「ふん、我が主に助けてもらったんだ、感謝しろ」
「まさか、シド……?」
銀の狼――聖獣フェンリル。フェンリルがリーゼを主と認めたのか。リーゼは、自分の立場がまったく変わってしまったということを理解していない様子で、ただ、サージを見ていた。
血が流れていくのと一緒に、身体からどんどん力が抜けていくのを実感した。
(すまん、コルネリア様。俺は、約束を果たせそうに、ない……)
脳裏に浮かぶかつての憧れが、寂しそうに微笑むのが見えたような気がした。
サージを信じて、大切なものを託してくれたのに。あと、もう少しというところで、約束を果たすことができなかった。
けれど、サージをこの世に引き留めたのは。
「かたくなぁれ!」
もう耳になじんだ幼女の声。
体内から血液と共に流れ出ていた生命力が、とどめられ、そして少しずつ戻ってくるのがわかる。
目を開いた時には、戦いは終わっていた。
――そして。
心配そうな目をしてこちらを見つめるリーゼの横には、美しい毛並みの銀の狼が座っている。
「ふん、我が主に助けてもらったんだ、感謝しろ」
「まさか、シド……?」
銀の狼――聖獣フェンリル。フェンリルがリーゼを主と認めたのか。リーゼは、自分の立場がまったく変わってしまったということを理解していない様子で、ただ、サージを見ていた。