幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
すたすたと近づいて来たシドは、サージの耳に顔を寄せた。
「主のスキルが、お前を助けたんだ。外れスキルと馬鹿にするんじゃないぞ――ま、吾輩が見ている限り、お前は主のスキルを馬鹿にしたことなんて一度もないけどな」
リーゼのスキルがサージの命を救ったのだとシドは語る。
(……コルネリア様。あなたは、とんでもないものを俺に託したんだな)
命の恩人に手を差し出そうとした時。
「うわああああん、団長。よかった! よかったぁぁ……!」
リリンダが飛びついてくる。彼女がこんなに感情をむき出しにするのは珍しいことだった。
彼女を抱きしめ頭を撫でる。その様子を見ていたリーゼが、なんとも言えない笑みを浮かべたのが見えた。
(コルネリア様、あなたの言っていたことが、わかったような気がする……)
こんな時、普通の子供だったらどうするのだろう。
もっと泣いて、わめいて、リリンダより先に誰かの胸に飛び込んでいたっておかしくはない。
それなのに、リーゼときたら。
泣きじゃくるリリンダを見ている目は、五歳というリーゼの年齢よりも十も二十も上に見えて。
(子供に、こんな顔をさせちゃいけない……コルネリア様。あなたが心配していたのはこれ、だったんだな)
「主のスキルが、お前を助けたんだ。外れスキルと馬鹿にするんじゃないぞ――ま、吾輩が見ている限り、お前は主のスキルを馬鹿にしたことなんて一度もないけどな」
リーゼのスキルがサージの命を救ったのだとシドは語る。
(……コルネリア様。あなたは、とんでもないものを俺に託したんだな)
命の恩人に手を差し出そうとした時。
「うわああああん、団長。よかった! よかったぁぁ……!」
リリンダが飛びついてくる。彼女がこんなに感情をむき出しにするのは珍しいことだった。
彼女を抱きしめ頭を撫でる。その様子を見ていたリーゼが、なんとも言えない笑みを浮かべたのが見えた。
(コルネリア様、あなたの言っていたことが、わかったような気がする……)
こんな時、普通の子供だったらどうするのだろう。
もっと泣いて、わめいて、リリンダより先に誰かの胸に飛び込んでいたっておかしくはない。
それなのに、リーゼときたら。
泣きじゃくるリリンダを見ている目は、五歳というリーゼの年齢よりも十も二十も上に見えて。
(子供に、こんな顔をさせちゃいけない……コルネリア様。あなたが心配していたのはこれ、だったんだな)