幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
ひょっとして、公爵はリーゼに協力しないようにデリモの地で暮らす人々に通達したのではないだろうかと疑いたくなってくる。
追い出したとなると外聞が悪いから、遠いところで、ろくな教育も受けずにひとりでひっそりと暮らせ。そう言いたかったのかもしれない。
だって、そうでなければ、五歳の子供をひとりで放り出したりしない。
今、リーゼがひとりではなく、たくさんの人に囲まれているのは、母がベイティス傭兵団を呼んでくれたからだ。
そして、シドとの出会いも運がよかった。リーゼは、運がよかっただけ。
「今日のところは、一度帰ろうか? 皆が何に困っているのか、少しずつ聞いていくしかないと思うの。何回も通って、信頼を得るって方法もあると思うんだ」
「そうだなぁ……それも一理あるな」
サージは悩んでいる様子だ。彼としては、もう少し挨拶して回りたいのかもしれない。
「団長、リーゼ、朝から断られてばっかりで大変。休憩が必要だと思う。帰った方がいい」
「ありがと、リリンダ。ねえ、大好き」
「そういうことをポンポン口に出さない!」
家にいる時、母やフランチェスカには、きちんと言葉にして気持ちを伝えることはしてこなかった。父と呼んでいた頃の公爵にも。
追い出したとなると外聞が悪いから、遠いところで、ろくな教育も受けずにひとりでひっそりと暮らせ。そう言いたかったのかもしれない。
だって、そうでなければ、五歳の子供をひとりで放り出したりしない。
今、リーゼがひとりではなく、たくさんの人に囲まれているのは、母がベイティス傭兵団を呼んでくれたからだ。
そして、シドとの出会いも運がよかった。リーゼは、運がよかっただけ。
「今日のところは、一度帰ろうか? 皆が何に困っているのか、少しずつ聞いていくしかないと思うの。何回も通って、信頼を得るって方法もあると思うんだ」
「そうだなぁ……それも一理あるな」
サージは悩んでいる様子だ。彼としては、もう少し挨拶して回りたいのかもしれない。
「団長、リーゼ、朝から断られてばっかりで大変。休憩が必要だと思う。帰った方がいい」
「ありがと、リリンダ。ねえ、大好き」
「そういうことをポンポン口に出さない!」
家にいる時、母やフランチェスカには、きちんと言葉にして気持ちを伝えることはしてこなかった。父と呼んでいた頃の公爵にも。