幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
「あっちに獲物の気配がする。吾輩はそっちに行くから、主はサージと一緒にいろよ」
森の入り口を入ったところで馬車を停める。獲物のにおいを嗅ぎつけたシドは、そちらに行ってしまった。
シドを見おくり、リーゼは馬車から籠を引っ張り出す。野生のベリーを積むことができたら、どんどんこれに入れていこう。
「サージ、リリンダ、あっちに行こう! あっち!」
こうやって外を歩き回るのは久しぶりだ。舗装されているわけではない地面はでこぼことしているけれど、これを踏んで歩くだけで楽しい。
背中のリュックサックには、連れて歩いている兎達。リーゼの歩みに連れて、ピョコピョコと耳が揺れる。
サクサクと草を踏みしめる音。枯れた枝を踏むとぽきりという音。すがすがしい緑の空気。木漏れ日は優しくて、ここ数日のトゲトゲしていた気持ちをなだめてくれるようだ。
「靴紐が解けた。ちょっと待て」
サージがかがみこむ。待てという彼の制止も聞かず先に進んだリーゼは、とんでもないものを発見した。
「サージ! 行き倒れがいる!」
道端に倒れていたのは、非常に見目麗しい青年だった。
水、水、と騒ぐリーゼの声にうっすらと彼が目を開く。そして、彼は開口一番こう言い放った。
森の入り口を入ったところで馬車を停める。獲物のにおいを嗅ぎつけたシドは、そちらに行ってしまった。
シドを見おくり、リーゼは馬車から籠を引っ張り出す。野生のベリーを積むことができたら、どんどんこれに入れていこう。
「サージ、リリンダ、あっちに行こう! あっち!」
こうやって外を歩き回るのは久しぶりだ。舗装されているわけではない地面はでこぼことしているけれど、これを踏んで歩くだけで楽しい。
背中のリュックサックには、連れて歩いている兎達。リーゼの歩みに連れて、ピョコピョコと耳が揺れる。
サクサクと草を踏みしめる音。枯れた枝を踏むとぽきりという音。すがすがしい緑の空気。木漏れ日は優しくて、ここ数日のトゲトゲしていた気持ちをなだめてくれるようだ。
「靴紐が解けた。ちょっと待て」
サージがかがみこむ。待てという彼の制止も聞かず先に進んだリーゼは、とんでもないものを発見した。
「サージ! 行き倒れがいる!」
道端に倒れていたのは、非常に見目麗しい青年だった。
水、水、と騒ぐリーゼの声にうっすらと彼が目を開く。そして、彼は開口一番こう言い放った。