死神は花を狂おしい程愛してる
遅い朝食を済ませた二人。
ショッピングがしたいとの花楓の希望で、デートに出かけた二人。

街に来ていた。
久しぶりの外出でとても嬉しそうな花楓。
「花楓、楽しそう!」
「うん!久しぶりだから」
楽しそうに、服やアクセサリー、雑貨を見ていた。

「それ、欲しいの?」
いつものようにぴったりくっついた蒼士が、雑貨を見ていた花楓に声をかけた。
「そうじゃなくて…
今度、パーティーがあるでしょ?
その時にお渡しする、プレゼントを見てるの」
「は?誰に…!?」
「誰って、百田さんに」
「百田って、今度行くパーティーの主催者の?」
「うん、そうよ」
そう言って、また商品に目を向ける花楓。

「…………なんで?」
「え?」
「なんで、俺とのデート中に他の…しかも男の為のプレゼントを選らばないといけないんだ?」
「でも…蒼士さん、一人で外出るなって言うから……
あ…だったら私、今から一人で━━━━━━」
ガン━━━━!
そのまま壁に押しつけられた、花楓。

「え……蒼士…さん…?」
あまりの恐ろしさに、身体が震える花楓。
「一人?
いいって言うと思ってんのかよ…!?」
「ごめん、な…さ……」
「プレゼントは、洋次に頼んでおくから。
もう帰ろ?」
「でも…まだ外出たばっか……」
「まだ…口答えするの?
なんなら、ここでむちゃくちゃにキスする?
キスだけでも、花楓の意識を飛ばせるよ?俺」
「帰ります…」
「ん。いい子!」
子どもを誉めるように、頭を撫でた蒼士だった。
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