死神は花を狂おしい程愛してる
「蒼士さんって…」
「ん?」
「何しても様になるんだね!なんか凄いな…!」
「そう?」
「蒼士は何しても、カッコいいからね!」
洋次が自分のことのように、答える。

「やっぱり生見さんは、蒼士さんが好きなんですね。
何でも知ってるし」
「だから、花楓。その話はやめろって!キモい!」
「花楓様、ヤキモチ妬いてるの?」
「え?」
「え?花楓、ほんと!?
ヤキモチ?嬉しい!」
「あ、いや…そんなつもりは…////」
俯く花楓に、煙草を灰皿に押し付けた蒼士が顔を覗き込む。
「ヤキモチ……妬いてくれたの?」
「ほんとに…違っ…」
そのまま口唇を奪われた。
煙草の苦い味が広がる。
そして、口唇から頬、首に蒼士のキスが下りてくる。
服の裾から、蒼士の手が滑り込んできた。
「んっ…や…蒼士、さ……」
「いいでしょ?このまま…抱かせて…?ヤキモチなんて…可愛すぎる…」
「生見さんがいるし…恥ずかし……」
「だから、洋次は大丈夫だよ…
ねぇ…俺以外の人間のこと考えないで?俺のことだけ考えてよ」
そのままソファーの上で抱かれ、果てた。

二人とも裸のまま、蒼士の上に乗って横になっている、花楓。
下から抱き締めている蒼士が、背中をさすっている。
「蒼士さん、重くない?」
「うん、大丈夫。むしろ花楓の重みが幸せ…」
ちょうど花楓の耳の下に蒼士の胸があり、心臓の音がドクッドクッ…と聞こえる。
「なんか…」
「ん?花楓?」
「眠い……」
「フフ…眠っていいよ…」
「でも、このままじゃ…蒼士さんが動けなくなるよ?」
「俺もこのまま寝るからいいよ…!だから、おやすみ…」
更に背中をさすられ、眠気には勝てずそのまま眠ってしまった、花楓だった。
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