志岐さんと夏目くん


「……昔はあんな奴らじゃなかったのになぁ……」



ハァ。 と息を吐いた夏目くんが、女子二人へと歩み寄る。

手を繋いだままだから、私も一緒だ。



「佐々木さん平山さん、お久しぶり」

「……あっ、夏目くんっ!! それに志岐さんもっ!! うそっ、いつの間に来てたのー!?」

「ついさっきだよ。 ……ねぇ、二人の意見が聞きたいんだけどさ、アイツらとやり直すっていうのは絶対なし?」

「絶対無理っ!! あんっな自己中(ジコチュー)のそばには二度と寄りたくないっ!!」



興奮しながら言う佐々木さん。

そのあとには平山さんも大きな声で言葉を続けた。



「そうだよっ!! 夏目くんたちに酷いこと言ったのも謝らないしっ!! そもそも「俺らに従え」っておかしくない!? 私ら奴隷じゃないんですけどっ!!」

「ほんっとにそうっ!! マジで意味わかんないっ!!」



と言う二人に、男子たちも負けじと言い返してきた。



「俺らは何も悪くねぇだろっ!!」

「女は男に従っとけばいいんだっ!!」

「そうだよっ!! 俺らが正しいに決まってるだろうがっ!!」



……わぁ、凄い発言だ。

こんなことを言ったらますます嫌われるのに、ほんっと馬鹿だなぁ……。


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