志岐さんと夏目くん


その言葉と共に、ニヤリと笑った小日向くん。

佐々木さんと平山さんはますます楽しそうに笑っていたけれど、馬場さんは相変わらずの呆れ顔だ。

そして夏目くんは……、



「ほんっとに小日向は、馬鹿だなぁ……」



……と、こちらもまた呆れ顔で小日向くんを見ていた。

そのあとに、ふっと目が合う。



「あー……えっと、ごめん。 俺ほんとブチギレるところだった。 ていうかほぼほぼブチギレてた。 怖がらせた……よね?」

「……うん、ちょっと怖かった。 夏目くんを怒らせたら かなりヤバいんだなぁってわかったので、これからは怒らせないように気をつけます」

「えっ? いや……いやいやっ、志岐さんにあんな態度は取らないって。 俺って基本は超絶 穏やかだからねっ?」

「そういう人ほどキレると怖い。って、よく聞くしなぁ」

「大丈夫だってばっ」



と、かなり焦る夏目くん。

場の雰囲気を戻すための かるーい冗談だったんだけど、本当に焦っているみたい。

オロオロしてる姿は、なんだか可愛い。


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