志岐さんと夏目くん


「仕方ない、服代の分まで頑張って稼ぐか。 夏目も手伝えよー?」

「もちろん。 迷惑かけた分はしっかりと働くよ」

「よっしゃ、そうこなくっちゃ。 あー夏目のメイドさん楽しみだなぁ〜」

「……え? いや、俺は裏方で頑張るつもりで言ったんだけど」

「バッカ、お前が可愛い可愛いメイドさんになれば客倍増で売上アップに決まってるだろーがっ。 馬場ちゃん、予備の服はコイツに着せて。 俺が裏方に回るから」

「ちょっ、なんでそうなんのっ……!?」



と夏目くんは焦り顔だったけど、そのまま小日向くんと馬場さんに連れて行かれてしまった。

こういう時の団結力は、本当に凄いなぁ……。



「アハハッ、志岐さんのクラスの人って面白いねぇー!!」

「ほーんと、うちの学校の人とは大違いっ!! 羨ましい〜!!」



佐々木さんと平山さんが楽しそうに笑うので、私も自然と笑顔になった。

だけどそのあと、少しだけ表情を引き締める。


< 107 / 133 >

この作品をシェア

pagetop