志岐さんと夏目くん
「夏目くんのメイドさん、すっごく可愛かったなぁ」
「ほんとほんと。 アレは男でも惚れちまうね、うん。 アイツをメイド役にして正解だったわー」
「あ、でも小日向くんも、メイドの成れの果ての妖怪みたいで面白かったよ?」
「妖怪って、俺は人外かい。 つーか夏目以外の男はみんな面白くね?」
との言葉を受け、メイド役の男子たちを頭に思い浮かべる。
「鳴沢はハイスペックでクッソヤバい仙人みたいな奴だろー? で、八森ちゃんは自分大好き筋肉大好きの変人くん。 ほら、既にヤバいっ」
「ふふっ……鳴沢くんって人生何周目なんだろう? って思うことがあるよね。 八森くんは硬派な感じかと思ったけど、本当は違うんだ?」
「違う違う、ヤッちゃんは硬派じゃなくて自分にしか興味がない変態だよ」
「あははっ、変人が変態になっちゃった」
夏目くんの近くに居る男子たちのことは、いつも遠くから見てるだけだった。
鳴沢くんのことは一年の時は同じクラスだったからある程度はわかるけど、他の人のことはほとんどわからない。
だから「こんな感じの人かな?」って勝手に想像してるだけだった。
でもみんな、私の想像とは全然違って面白い感じらしい。