志岐さんと夏目くん
「……小日向くん、ありがとう。 凄く勇気づけられたよ」
「どう致しましてー。 優しい優しい俺に惚れるなよー?」
「あ、それは全然大丈夫です」
「即答かいっ」
と言いながら、私たちはまた笑い合う。
今まであまり喋ったことのなかった人だけど……それでも私たちは、軽口を叩けるくらいにまで仲良くなっていた。
──その後、色々な話をしながら私たちは歩き続けた。
買い出しではあるものの、束の間の休息だ。
教室に戻ったら また忙しくなるんだろうなぁ。 なんて思いながら、学校の駐輪場に自転車を止める。
「さーて、あと少し頑張りますかっ」
「うん、頑張ろうっ」
すっかり仲良しになった私たちは、それぞれ荷物を持って教室へと急いだ。
……メイド喫茶は、相変わらず行列が出来ている。
リピーターも多いみたいだ。