志岐さんと夏目くん
「たっだいま〜」
「あー小日向やっと来たっ。 飲み物もお菓子も もうギリギリだよーっ」
荷物を裏方に運んだ時に、ゴミの片付けをしていた馬場さんがすぐに声をかけてきた。
「マジっすか。 つーかこれ明日ヤバくね? 更に十倍くらい買い出ししなきゃいけないんじゃない?」
「うん、だから みんなで話し合って、明日の営業は辞めることにしたっ。 もう目標金額は越えてるし、さすがにこのペースで明日も営業したら夏目くんが死んじゃうもん」
「アハハ、確かに。 夏目だけじゃなく、メイド役も裏方も ほとんど休憩出来てないもんなぁ。 馬場ちゃんもずっと動きっぱなしじゃない? 大丈夫?」
「メッチャ疲れたけどまだ大丈夫っ」
そう言って笑った馬場さんが、ふと私を見た。
「志岐さん、私ら邪魔はしないから、明日は夏目くんと楽しんでねっ」
「あっ……うん、ありがとうっ……」
「さっ、明日遊び尽くすために もうちょっとだけ頑張ろうっ」
「うんっ」
嬉しいな。
馬場さんは私と夏目くんの関係を受け入れてくれている。
それがわかって、本当に嬉しい。