志岐さんと夏目くん
志岐さんと夏目くん
………
……
…
「メイド役、裏方、呼び込みをやってたみんな、お疲れーい」
「「「 お疲れさまー!! 」」」
「一日中 遊び回ってた奴ら、明日も楽しめるぞー」
という小日向くんの声に、みんなが笑う。
学園祭一日目を無事に終え、教室にはクラスメイト全員が揃っていた。
既に着替え終わっているメイド役の人たちは、それぞれ疲れたように机やイスに座り、残ったジュースで喉を潤している。
その中に夏目くんも居るけれど、かなりお疲れみたい。
ジュースを飲みながら雑談するみんなとは違い、机に突っ伏してグッタリとしている。
他の人の呼びかけにも、ひらひらと手を振って応えるだけだった。
「夏目ー、大丈夫かー?」
「……おー……」
「もう帰るぞー?」
「……んー……」
小日向くんが呼びかけても鈍い返事をするだけで、一向に動く気配はなかった。
「あーぁ、ダメだこりゃ。 志岐さん、俺ら帰るからアイツのこと頼むわっ」
「えっ?」
「三十分もすりゃ復活するっしょ。 じゃ、よろしくー!」
そう言った小日向くんは、馬場さんたち いつものメンバーと一緒に教室を出ていった。