志岐さんと夏目くん


「教室での夏目くんってどんな感じなのー?」

「付き合ってることはクラスの人も知ってるんでしょ〜?」



なーんて質問にのらりくらりと答えながら、チラリと夏目くんを見る。

……夏目くんは、笑顔で話をしてるみたい。

近藤くんと山口くんに質問攻めにあってるみたいだけど、向こうは向こうでなんとか上手くやってるらしい。



「志岐さん、また夏目くんのこと見てる〜」

「……え、私そんなに夏目くんのことばっかり見てた?」

「そうだよぉ、結構な頻度で向こうを見てるよ〜?」



佐々木さんの言葉に、平山さんもウンウンと頷く。


……そうだっただろうか?

そんな意識はなかったけど、横に居る二人がそう言うのならそうだったのかもしれない。



「圭くんたちは絶対偽物の彼女だーって言ってたけど、メッチャラブラブじゃんねー?」

「ねー。 夏目くんもなんだかんだ志岐さんのことばっかり見てるし。 あ、ほらまたこっち見てるよっ」



と言う言葉を受け、また夏目くんを見ると……確かに夏目くんはこっちの方を見ていて、すぐさま目が合った。


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