志岐さんと夏目くん
「わーありがとうっ」
「ううん、それよりも みんな濡れなかった?」
「うん、大丈夫みたいっ」
よかった。
服にも被害は出てないようだ。
テーブルの上はハンドタオルで拭き、床に零れてしまった分はティッシュで処理をする。
全員が協力しながらだったから、すぐに綺麗にすることが出来た。
「志岐さんありがとうっ、すっごく助かったよー。 タオル洗ってくるねっ」
「あ、そのまま捨てちゃっていいよ。 もう古いやつだったし、そろそろ替え時だって思ってたから」
「そうなの? じゃあこのまま捨てちゃうね」
「うん」
本当はまだ買って一ヶ月くらいだったけどね。
でも濡れたタオルを持って帰るのは大変だから、それならもう捨ててしまった方がいい。
と、そう思った。
最後に大仕事が出来て、きっとタオルも本望だ。
「志岐さんごめんな〜、今度新しいの買って渡すよ」
近藤くんにそう言われるけど、首を横に振る。