志岐さんと夏目くん


「わーありがとうっ」

「ううん、それよりも みんな濡れなかった?」

「うん、大丈夫みたいっ」



よかった。

服にも被害は出てないようだ。


テーブルの上はハンドタオルで拭き、床に零れてしまった分はティッシュで処理をする。

全員が協力しながらだったから、すぐに綺麗にすることが出来た。



「志岐さんありがとうっ、すっごく助かったよー。 タオル洗ってくるねっ」

「あ、そのまま捨てちゃっていいよ。 もう古いやつだったし、そろそろ替え時だって思ってたから」

「そうなの? じゃあこのまま捨てちゃうね」

「うん」



本当はまだ買って一ヶ月くらいだったけどね。

でも濡れたタオルを持って帰るのは大変だから、それならもう捨ててしまった方がいい。

と、そう思った。

最後に大仕事が出来て、きっとタオルも本望だ。



「志岐さんごめんな〜、今度新しいの買って渡すよ」



近藤くんにそう言われるけど、首を横に振る。


< 18 / 133 >

この作品をシェア

pagetop