志岐さんと夏目くん
「全然気にしなくて大丈夫だよ」
「でも」
「いいのいいの、私まとめて買うタイプだからさ、家に帰れば使ってないタオルがいっぱいあるの。 だからほんと、気にしなくて大丈夫っ」
「そっかー? ほんとありがとなぁ」
「どう致しまして」
ニッコリ、と自分史上 最高の笑みを見せる。
……「今度」なんてない。
私はもう彼らに会うことはないだろう。
だから「今度」の約束はしない。
それは絶対だ。
「ていうか圭くん、なんでグラス倒しちゃったの? 普段は絶対そんなことないでしょー?」
「いやぁ〜ちょっと盛り上がりすぎちゃって」
「えーなになに、なんの話をしてたの?」
「そりゃあ、彼女とどんくらい仲が良いのかーって話に決まってるっしょ」
ニヤニヤしながら佐々木さんの肩を引き寄せる近藤くん。
それを見た山口くんも、ニヤリと笑ってから平山さんを引き寄せた。